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太田 雅和; 永井 晴康; 小嵐 淳
Science of the Total Environment, 551-552, p.590 - 604, 2016/05
被引用回数:34 パーセンタイル:71.85(Environmental Sciences)東京電力福島第一原子力発電所事故由来Csの移行評価のために、森林内Cs動態予測モデルを開発し、実サイトに適用した。地表有機物層に沈着したCsの溶脱及び土壌中のCsの吸着・輸送をモデル化し、既存の陸面水循環モデルに導入した。モデル計算は、有機物層から土壌層への事故後3年に渡るCs移行を良好に再現した。長期予測の結果から、沈着したCsはその90%以上が30年間に渡り表層5cmの土壌に保持されうることが示され、森林では地下水経由のCsの流出は小さいことが明らかとなった。また、Cs動態に及ぼす土壌有機物の影響を評価するため、土壌中Cs動態のパラメータ(分配係数等)を変えた数値実験を実施した。その結果、この仮想的な土壌では、土壌有機物によるCsの土壌粒子への吸着の阻害、粘土鉱物へのCsの固定の低下及び固定されたCsの再可動の促進が溶存体Cs濃度を増加させ、植生のCs取り込みを増大させうること、数10年程度の期間にCsの大部分(約30%から60%)が深さ5cmよりも深い部分へ輸送されうることが示された。以上より、土壌有機物が長期に渡り森林内Cs移行に影響を及ぼすことが示唆される。